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研究員コラム

研究員コラム 第18回

2011年9月30日

みなさん、これ何だかわかりますか?


oda_1.jpg


そう。世界地図です。
ですが、普段私たちがよく目にする世界地図とは、見え方が違っていますね。


紹介が遅れました。研究員の小田と申します。
今回は、前回の山本のコラムに続き、日本国外における視点の違いについて考えたいと思います。


さて、私が「丸い地球に、上も下もない」ということに、あらためて気づかされたのは、高校時代の地理の授業の時でした。海外旅行好きで、長期休みのたびにどこかへ飛んでいってしまう先生が、南半球のどこぞの国で買ってきた、といって見せてくれたのが、先ほどのような「逆さま」の世界地図でした。


写真の地図は、数年前にニュージーランドに旅行に行った時に、本屋さんで見つけて買ったものです。「逆さま」地図にようやく出会えた時は、嬉しくて、2枚も買ってしまいました。ですが、最近はネットでも購入できるようです。


実際には、このような「逆さま」の地図というのは、一般的ではありません。
大抵の場合、地図も、地球儀も、北方向が上に描かれています。「逆さま」の地図は、そのように「あたりまえ」になってしまっている私たちのものの見方に対して一石投じようという、南半球からのユニークたっぷりの挑戦なのかもしれません。


私たちは「自己中心的な人」という言葉に、よい印象を感じられません。あたかも「自己(自分)が中心に世界が回っている」かのように思っている人に、周りはとてもついて来られないでしょう。しかし、私たちは確実に、「自分がいる場所」を中心に世界を見ています。


その証拠として、私たち日本人が、頭の中で世界地図を思い浮かべた場合、大抵は、日本がど真ん中にあって、右側に北米・南米、左側にヨーロッパ・アフリカ。そして、「グリーンランド」なる国が右と左に分かれて描かれている、そのような図ではないでしょうか。子供のころ、「なんでグリーンランドって2つあるん?」と大人に聞いたことがある人も、きっといらっしゃるはずです(え?!私だけ?)。


「住む場所が違えば、世界の見え方が違う」という、至極あたりまえの気づきが、当時の私に与えたインパクトは、大学時代の私をバックパッカーとして日本を出ることを後押ししてくれました。
他の国に住む人たちと、同じ空気を吸って、同じ道を歩いて、同じものを食して、同じお酒を飲む。そうやって、色んな見方に出会いたい―、という好奇心の源泉は、十年以上経った今も色褪せず、確実に私の中に息づいています。そのおかげで、社会人になっても、結婚しても、旅をやめられない、止まらない体質のまま、ここまできてしまいましたが・・・。


そのようなわけで、今年の夏休みは、タイに旅行をしました。
タイ北部には、タイ、ミャンマー、ラオスの3つの国境が交わる「ゴールデントライアングル」という場所があります。かつては、世界最大の麻薬・覚せい剤の密造地帯であったという曰く付きの場所ですが、今は治安も改善され、タイ現地からの観光ツアーも組まれています。ゴールデントライアングルには、タイからメコン川を挟んで目と鼻の先に、パスポートなしでラオスに入国できる特別地区があります。その地区の土産物屋で買ったラオスの世界地図がこちらです。


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通常、世界地図は、その地図が作られた国が中心、もしくは、分かりやすい部分に描かれています。日本の世界地図は、日本がど真ん中にあるし、アメリカの世界地図は、アメリカが分かりやすい部分に位置しています。ですが、この世界地図は、不思議なことにラオスは右端に描かれ、中心はヨーロッパ・アフリカ大陸となっています。


これは、かつてフランスの植民地であった、という歴史的背景が関係しているのかもしれません。
完全独立から50年を経た現在も、ラオスの一土産店で売られている世界地図が、ヨーロッパが中心となっている、というのは、植民地支配がその国に及ぼす影響の大きさを考えさせられます。


皆さんも、機会があれば、他の国の世界地図を見てみて下さい。
「自己中心」のフィルタを一旦外して、今「自分がいる場所」を別の見え方で見る発見を楽しんで頂ければ、と思います。

oda3.jpgのサムネール画像





研究員 小田 慶子


エルネット

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