研究員コラム
研究員コラム 第7回
2010年9月22日
はじめまして。
大阪ガス行動観察研究所、研究員の小園と申します。
私は美味しい食べ物、美味しいお酒が大好きで、趣味は食べること!といっても過言ではないのですが、今回のコラムでは、そういった席での「気づき」について書かせていただければと思います。
さて、さっそくですが、皆さまは「水割りセット」をご存知でしょうか?ウイスキーや焼酎などのお酒のボトルと共に出てくる、氷が入っている桶やトング、マドラー、水差し、といったあの一式のことです。
一見、「氷をグラスに入れて、そしてお酒と水を注いで混ぜる」という役割を完璧にこなしているように見えるこのセットなのですが、ある日、ある足りないものに気づきました。
「おしぼり」です。
このような水割りセットを使うシーンでは、グラスを変えず、そのまま自分のグラスにお酒を注ぎ足すことになるのですが、氷を入れたグラスは、時間がたつとともに表面に水滴がついてきます。そして、二杯目以降、この水滴でぬれた状態でグラスを使い続けることになるのです。
これは、気にされる方、気にされない方、それぞれかと思うのですが、やはりお酒は見た目も味も美味しく飲みたいですよね。実際に観察してみても、「わざわざ自分のおしぼりの面をかえて、その水滴をぬぐっている人」、「紙ナフキンをグラスの下に敷いている人」など、水滴を気にしていると思われる行動をとる人は多くみられました。そこで、水割りセットと一緒におしぼりを提供し、お酒のおかわりの度にグラスの水滴をふいていただけるようにする、というわけです。
この気づきは、「提供されたサービスを使用する」という時間の経過で始めて発生するものです。提供する側の「お店の立場」ではなかなか気づくことは難しく、「お客さまの立場」にたって始めて分かることなのでは思います。
「よかったらグラスをふくのにお使いください」と言って、新しいおしぼりを手渡す。こんなちょっとした気遣いに「おいしく料理を楽しんで欲しい、楽しい時間をすごしてほしい」というお店の気持ちが感じられ、嬉しくなりますよね!
サービスの品質は美味しい料理やスマートな接客だけではなく、実はそういったちょっとした行動にこそ現れるのではと思います。
皆さまも、よく買い物にいくお店や行きつけのお店の店員さんなど、ぜひ観察してみてください。「だからこの店は好きなんだよなあ」という、素敵なサービスのこころが発見できるのではと思います。
それでは、またなにか「気づき」がありましたら、この場をかりてご紹介させていただきます。
次回もよろしくお願いします。
大阪ガス行動観察研究所 研究員 小園 真由
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